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あの時、何で大声を出さなかったのだろう
と今でも思うが、それが私なのだろうとも納得する。
わたし…
嫌だと言えないのだ。
こんなに気が強いくせに。
いつも肝心な時に何も言えなくなる。
小学六年生のとき痴漢にあった時もそうだった。
友人と何人かで電車に乗って買い物に行ったとき。
見知らぬオジサンが私の背後に立った。
電車は空いているのにオジサンは私に寄り添うかのように。
そんなオジサンを少し不信には思ったが、それをあまり気にすることもなく友人と他愛のない話で盛り上がっていた。
突然!
オジサンが私のお尻に触れた?
気のせい?
最初はそう思った。
けど…何度も何度も触ってくるので確信した。
痴漢…だと。
鳥肌が立った。
気持ち悪くて。
それでも、友人には知られたくなくて
何事もないように振る舞い話をして
笑った。
泣きたいほど嫌なのに
笑っていた。
何も言えず…
ただ早く駅に着くことだけを祈って。
やっと駅に着いて電車から降りたとき
その人の顔を初めてみた。
ただの萎れかけたオジサンだった。
何で私なの?
一番気の強そうな私なのに。
色んなことが頭の中をグルグルと駆け巡り
落ち込んだ。
わたし…
その人の顔は今でもハッキリと覚えている。
きっと、
忘れる事はないだろう…。
オジサンはとっくに忘れてしまっているだろうけど、
わたしは忘れない。
あのオジサンのことは。